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ヤンゴンの教室から始まる共生――特定技能で日本を選ぶ若者を、企業はどう迎えるか

ヤンゴンの教室から始まる共生――特定技能で日本を選ぶ若者を、企業はどう迎えるか

掲載写真:ヤンゴンの日本語学校で、現地スタッフが特定技能での働き方を説明する様子。

ヤンゴンの日本語学校で、現地スタッフが「特定技能で日本で働く」という選択を一人ひとりに伝えている。教室に集う若者は、単に就職先を待つ人ではない。日本語を学び、技能試験を越え、自らの仕事と将来を選ぼうとしている。その姿を前に、日本企業に必要なのは採用人数を数える視点ではなく、人生の転機を託された雇用主として向き合う視点だ。

いまのヤンゴンでは、日本語を学ぶ熱意が確かに高まっている。国際交流基金によれば、2024年のミャンマーにおける日本語能力試験(JLPT)の応募者は約18万人に上り、その多くが日本での就労・留学を希望している。1 一方で、学習者の急増により初級授業を経験の浅い教師が担う状況があり、停電や通信の不安定さも学びを妨げる。合格証だけを見て「日本語は十分」と判断するのではなく、学習環境の違いを踏まえ、来日後も職場で使う言葉を育て続ける姿勢が欠かせない。

若者が日本を選ぶ理由は一つではない。将来に通じる技能を得たい、家族を支えたい、安心できる生活基盤を築きたい――それぞれに切実な事情がある。ジェトロは、2020年以降の経済停滞、就学・就労環境の悪化、徴兵の実施を、海外を目指す若年層の動きが加速する背景として指摘する。2 だからこそ、彼らを「人手不足を埋める労働力」としてのみ扱ってはならない。

入管庁の2025年末速報では、特定技能在留者は39万296人、うちミャンマー人の特定技能1号は4万4,315人で、国籍別で3番目に多い。3 特定技能1号は技能・日本語の試験等を経て働く在留資格であり、受入れ機関には支援計画に基づく支援が求められる。4 これは形式的な手続ではなく、「日本で働く」と決めた人を孤立させないための制度である。

企業が最初に実行すべきことは、渡日前に仕事内容、賃金、残業、控除、住居費、休日、配属先を本人が理解できる言葉で具体的に共有することだ。来日後は、空港送迎や住居・口座・通信契約の支援に加え、写真や動画を使った作業標準、やさしい日本語による安全教育、質問しやすい担当者の配置を行いたい。上司側にも、「察してほしい」ではなく、短く確認しながら伝える働き方を根付かせる必要がある。

さらに、3か月に1回以上の定期面談を届出のためだけに終わらせず、仕事の困りごと、生活、将来の希望を聴く時間にする。5 日本語学習の継続、地域とのつながり、技能の習熟と昇給・役割拡大の道筋まで示せれば、定着は「管理」の結果ではなく、信頼の結果になる。印刷・製本を含む工業製品製造業も特定技能の対象である。4 現場の技能を正当に評価し、仲間として成長を支えること。それこそが、日本が選ばれ続ける理由になる。